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[ コラム ] 7月-31-2009

 アルコール含有物を連続式蒸留機以外の蒸留機で蒸留したものである乙類のルーツこそ、歴史的にみて日本で生まれた最初の蒸留酒といえる。

 その製法は、東南アジアから海上ルートを経て沖縄に伝わったという。15世紀後半には沖縄で蒸留が行われていたらしい。

 1559(永禄2)年には、薩摩の大口村で焼酎が飲まれていたという記録が残っている。薩摩産の米で作られた焼酎で、庶民の間でもかなり飲まれていたという。ちなみに薩摩は芋焼酎が有名だが、この地方にサイツマイモが渡来したのは1705(宝永2)年といわれ、琉球から山川町にもたらされたのが初めてだということだ。

 その後、焼酎の製造は九州南部に広がり、球磨地方や宮崎地方で盛んにつくられるようになった。そして九州北部、中国、四国地方で酒粕を原料とする粕取り焼酎が広まっていった。いずれも単式蒸留機で製造されていたので現在の焼酎乙類に相当する酒である。

 日清戦争後の明治28(1895)年ごろに、ヨーロッパから連続式蒸留機が日本へ輸入され、明治40年代に入って、焼酎甲類に相当する酒がつくられるようになった。この新しい酒は「新式焼酎」と呼ばれ、旧来の単式蒸留機でつくる焼酎は「旧式焼酎」と呼ばれた。この新式焼酎が現在では焼酎甲類に、旧式焼酎が現在の焼酎乙類になったわけである。