リキュールは、蒸留酒(スピリッツ)をベースにして、そこにいろいろな香味成分を配合した甘い酒である。組成分の面から分析すると、1)ベースとなる酒類、2)芳香性原料、3)糖類、4)着色料(加えない場合もある)から成り立っている。
そのひとつひとつについて、整理してみよう。
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1)ベースとなる酒類
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- ブランデー
樽熟成したブランデーを用いる場合と、未熟成の無色のブランデーを使う場合とがある。
- ウイスキー
- ラム
活性炭ろ過をしたライト・ラムを使う場合と、焦げ樽熟成をしたダーク・ラムを使う場合とがあり、両者を使い分けている。
- ウオッカ
中性スピリッツ同様、自由な使い方ができる。
- キルシュワッサー
チェリーのリキュールのベースに使われることが多い。
- ジン
スロー・ジンのベースに、ジン原酒を使うことがある。
- 中性スピリッツ
原料を問わず、アルコール度数95度以上で蒸留した、純度の高いアルコール液。原料由来のクセが残っていないので、リキュールのベースとして広く使われる。
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2)芳香性原料
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- ハーブ、スパイス類リキュールにとってもっとも重要な原料で、この原料がなければリキュールの成立は考えられないくらいだ。フルーツ系のリキュールにも微量添加されていると見ていい。
- フルーツ類フルーツは、国、地方によって呼び名が違っている。したがって、同じフルーツを使ったリキュールでも生産国が違えば名称が違う。
- ビーン、ナッツ、カーネル果実の種子、核、あるいはコーヒー豆、カカオ豆、バニラなど。
- 花
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3)糖類
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- 砂糖、グラニュー糖
普通は湯で溶かしてシロップ状にして用いるが、クレーム・ド・カシスなどベリー系のリキュールを作る場合には、そのまま用いることもある。
- 蜂蜜
製品によって、アカシアの花の蜜とか、ヒースの花の蜜とか選別して使う。
- 果汁
果汁の持つ甘さをそのまま呈味料として使う場合がある。
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4)色素類
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5)その他
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他にも、各種の有機酸類が呈味料として使われることがある。
また、水はアルコール分を希釈するために多くのリキュールで使われる重要な材料のひとつになっている。使用される水は、無機質を含まない純水が望ましい。無機質が含まれていると色素が変調したり、オリの発生を促すからである。