とp PBO:NPO法人 プロフェッショナル・バーテンダーズ機構 » Blog Archive » リキュールに使う主なハーブ・スパイス類(花と樹皮編)
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[ コラム ] 12月-5-2008

 リキュールで使われる「花」、「樹皮」。代表的なものといえば、どちらも数は少なくなる。まあ、その分だけ覚えやすいというわけである。たくさんある植物の中から選ばれし品目というわけだが、それにしても古の人達の選択眼には感服させられる。

【花】

★カモミール
和名:カミツレ
英語名:camomile、chamomile
フランス語名:camomille
キク科の一年草。ローマン種は多年草。ヨーロッパ原産。リンゴに似た芳香をもつ花の部分を利用する。

★クローヴ
和名:チョウジ(漢名:丁子 ちょうじ、丁香 ちょうこう)
英語名:clove
フランス語名:girofle
フトモモ科の常緑喬木。インドネシアのモルッカ諸島原産。つぼみを乾燥して用いる。バニラに近い刺激的で甘い香りを持つ。洋菓子や料理のスパイスとして広く利用されているが、リキュールの香りづけにも使われている。

★エルダー
和名:セイヨウニワトコ
英語名:elder
フランス語名:sureau
スイカズラ科。白い花にアニスを連想させる匂いがある。果実は黒紫色をしている。学名をサンブークス・ニグラ(sambucus nigra)といい、この香味を活かしたリキュールがサンブーカである。

★サフラン
和名:サフラン(漢名:蕃紅花 ばんこうか)
英語名:saffron
フランス語名:safran
アヤメ科の多年草。南ヨーロッパ地中海沿岸地方原産。花の雌しべを1本1本、手摘みで採集し、乾燥させてスパイスに用いる。香味よりも黄金色の着色性の方が重視される傾向にある。きわめて高価なスパイス。

【樹皮】

★アンゴスチュラ
和名:アンゴスツラヒ
英語名:angostura
フランス語名:angosture
マツカゼゾウ科。南米原産。その樹皮から抽出した成分は昔から解熱剤として利用されてきた。苦味が強いので、現在はビター系リキュールの苦味剤としても用いられている。

★シナモン
和名:ニッケイヒ(漢名:肉桂 にっけい、桂皮 けいひ)
英語名:cinnamon
フランス語名:cannelle
異称のニッキで知られるクスノキ科の常緑灌木。スリランカ、南インド原産。今日ではセイロン肉桂をシナモンと称し、中国肉桂をカシア(cassia、quassia)と称している。カシアのほうが香味が強く、渋味もある。調味料としてはシナモンのほうが評価が高い。

★キナ
和名:キナヒ(漢名:規那皮 きなひ)
英語名:cinchona
フランス語名:quinquina
アカネ科。そのシンコナ属の樹皮から抽出するシンコニジンはマラリアの治療や解熱剤として薬効があるとされてきた。現在は樹皮成分からキニーネ剤をつくり、苦味、健胃、強壮剤として利用されている。

★ササフラス
和名:サッサフラス(漢名:黄樟 おうしょう)
英語名:sassafras
フランス語名:sassafras
クスノキ科の落葉樹。北米東部に自生する。樹皮や根から採る揮発性のオイルは薬用および香料として使われている。

注)フランス語特有の文字は一部省略して表記しています。