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[ コラム ] 11月-21-2008

 リキュールの歴史を数回にわたって掲載してきた。リキュールとはスピリッツ(蒸留酒)に薬草や果実などの香味成分を配合した酒ということになるが、今まで使用されているハーブ、スパイスに関して紹介していなかった。主なものを何回かに分けて紹介していこうと思う。

★アンゼリカ
和名:ヨロイグサ(漢名:白+草冠に止、びゃくし)
英語名:angelica
フランス語名:angelique
セリ科の二年生草本。ヨーロッパのアルプス地方原産。葉や根に刺激的な芳香がある。葉柄は砂糖漬けにしてケーキのデコレーションに用いられる。根からの抽出成分は、ジュニパー・ベリーに似た香りでリキュールやマーマレードの香りづけに利用される。

★ゲンチアナ
和名:リンドウ(漢名:竜胆、りゅうたん)
英語名:gentian
フランス語名:gentiane
リンドウ科の多年草。根から抽出した苦味液を利用する。

★ジンジャー
和名:ショウガ(漢名:生姜 しょうきょう)
英語名:ginger
フランス語名:gingembre
ショウガ科の多年草。インド原産で根茎部にシャープな辛味を持つ。辛味の主成分はジンゲロンとショウガオール。芳香は産地によって異なり、ジャマイカ産がバランスが良いとされ、アフリカ産はやや重く、インドや日本産は柑橘系の軽やかな芳香があるとされる。

★リコリス
和名:カンゾウ(漢名:甘草 かんぞう)
英語名:licorice
フランス語名:reglisse
マメ科の多年生宿根草。中国北部原産で、甘味成分のグリチルジンを5〜10%含み、天然甘味料として利用される。

★オリス
和名:イチハツ(漢名:鳶尾 えんび)
英語名:orris
フランス語名:iris
アヤメ科の宿根草。中国原産で「匂い菖蒲」の別名もある。その根茎は乾燥すると芳香が高まり、粉末にして利用される。

★リュバブ
和名:ダイオウ(漢名:大黄 だいおう)
英語名:rhubarb
フランス語名:rhubarbe
タデ科の宿根草。シベリア南部が原産地で、根茎は下剤、苦味剤として利用される。葉柄はパイやジャムを作るときに香りづけとして利用される。

 漢方薬として有名なものばかりである。リキュールが薬酒として生まれたことが一目瞭然ではないだろうか。

注)フランス語特有の文字は一部省略して表記しています。