チョコレートのテイスティングの話を続けてきた。今回は、テイスティングのコツを最後のまとめにしたい。
◆一度に比べるのは多くても4種類まで
どのチョコレートも、その後に試食するチョコレートの味に影響してしまうため、4つ目のチョコレートを試すころには味蕾(みらい)が混乱している。異なるチョコレートを試した後は、水やパンで口の中をさっぱりさせること。
※味蕾(みらい):舌や軟口蓋にある食べ物の味を感じる小さな受容器官である。ヒトの舌には約5000個、口全体で約6000個の味蕾があるといわれる。
◆同じ色のチョコレートを比べる
ダークチョコレートのみ、あるいはミルクチョコレートのみ、というように同じ色のもので、しかもカカオ含有率が65〜75%程度で、同じ含有率のチョコレートで比較する。カカオ含有率が大きく違ってくると、砂糖の量の影響で正当な風味の比較ができなくなる。
※コロンビアのブランド「サンタンデル」にはサンタンデル地方産のカカオ豆を65%、70%、75%含んだ製品があり、砂糖の量が異なっているので、まったく違ったチョコレートを食べているように感じるという。
◆スーパーにあるものをマーカーにする
お馴染みのチョコレートバーをマーカーに取り入れるとよい。よく知っている味だから、たくさんの新しいチョコレートバーをテイスティングし、混乱してきたときなどに、ちょうど足を地面につけるようなポジション確認の役割を果たしてくれる。
◆前々回に紹介したチェックリストを活用する
前々回のコラム、「チョコレートのテイスティング」のリストに基づいてチョコレートを比べることで、異なるチョコレートの酸味のレベルなどに慣れてくるはず。そうすれば、楽に比較できるようになる。
毎回のことだが、チョコレートを「ウィスキー」や「カクテル」に置き換えても通じるような内容だ。どの世界でも味を比べる原理原則は変わらないようだ。