テイスティングをする近道は、すでに評価のあるブランドを試すことが一番。そこで、基本的なタイプの分類とおすすめのチョコレートを挙げてみたい。
1.チョコレートが好きではない場合
【おすすめ】「グラン・クヴァ」(ヴァローナ)、「マダガスカル」(プラリュ)、「ロス・アンコネス」(ミッシェル・クルイゼル)「ポルチェラーナ」(アメデイ)、「チュアオ」(ドモーリ)
【ポイント】口の中に含まれるアロマの複雑さ、時間と経た時の変化に注目。1回目より2回目、ちょっとずつ楽しみが得られるようになる。
2.クリーミーなミルクチョコレートが好みの場合
【おすすめ】「ジヴァラ」(ヴァローナ)、「ミルクチョコレート」(リンツ)、「トスカーノブラウン」(アメデイ)
【ポイント】甘味の強さと時間の経過に伴う味の変化に注目。たとえば、キャラメルやミルクパウダー、ナッツやファッジといった風味を感じたか。
3.ファインな味が分かるが同じものばかりを味わっている場合
【おすすめ】「70%カカオ ダークチョコレート」(グリーン&ブラック社)、「リンツ・エクセレンス・70%」(リンツ)、「ポルチェラーナ」(アメデイ)、「パルミラ」(ヴァローナ)などと、一般的に手に入るダークチョコレートを同時に比べる
【ポイント】バニラや砂糖の風味がするものはどれか。アロマティックな味と風味を感じるか、それとも砂糖が主張しているか。口の中でエレガンスとハーモニーを感じる物はどれか。酸味や苦味があるか。
4.ミルクチョコレート以外、様々なダークチョコレートを味わっている場合
【おすすめ】品質より価格重視と思われるダークチョコレートと、品質重視のミルクチョコレートの比較として、一般的なロッテ社のダークチョコレートと「メリッサ」(プラリュ)、「ジヴァラ」(ヴァローナ)の比較。
【ポイント】ゆっくり時間をかけて味わい(楽しみ)ながら、含まれるミルクパウダーの質を比べてみる。
5.ボンボンショコラがお気に入りの場合
【おすすめ】最高品質のクリームと最上質のチョコレートを使い、香料を加えていないトリュフを試す。また上質のチョコレートバーをいくつか試してみる。「ジヴァラ」(ヴァローナ)、「ミルク」(アメデイ)、「ミルク37%」(ヴェイス)
【ポイント】砂糖と香料による風味を美味しいと感じるか。
少なくとも2種類、あるいは3種類を同時にテイスティングすることが大切である。比較しながら味わうことで気付くことは多い。バーテンダーにとっては釈迦に説法かもしれないが。