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[ コラム ] 5月-7-2010

 新しいチョコレートを味わうときは、指の爪くらいの小さなかけらで試すらしい。舌の上にのせ、数秒間かんで、もっと小さく砕く。

 そして噛むのをやめて、チョコレートが溶けてフレーバーが開くのを待つ。チョコレートが口中に広がるのを確認できれば、口の中全体で最大限に味を感じることができるという。甘味、酸味、苦味、塩味の違い、そして芳香(アロマ)と風味(フレーバー)を感じとるわけだが、渋味は低品質のチョコレート特有のものなので気をつけたい。

 ポイントは、なんといっても香りだ。ワイン・テイスティングと同じようにチョコレートを表現する言葉として、以下のような表現があるようだ。

【野菜】干し草、木、きのこ、こけ、青々した草
【花】ジャスミン、バラ、オレンジの花
【フルーティ】赤いベリー(イチゴ、ラズベリー、赤スグリ等)、トロピカル・フルーツ、ジャム、レーズン、プルーン、ドライ・バナナ
【焼いた香り】ロースト・アーモンド、焦がし砂糖、キャラメル、コーヒー、ココア、茶、タバコ
【ナッツの香り】ナッツ類すべて
【スパイシー】リコリス、ヴァニラ
【その他】皮、蜜蝋、蜂蜜、パンやトースト、クリームやミルク、バター

 ということだが、何か基準がないことには表現しようがない。次のブランドのテイスティングがおすすめのようだ。

■「ヴァローナ」の「マンジェリ」のテイスティング
最初の酸味がおさまると、はっきりとした赤い果実、ラズベリーやさくらんぼ、黒すぐりのようなはっきりとした酸味を持つ果実を思わせる香りが感じられる。少なくともフルーティだと最初に感じたら優秀ということだ。

少し慣れて、細かく表現できるようになってきたら、

■「プラリュ」の「ジャバ」のテイスティング
最初は、野菜のような香りと感じていたのが、木、さらに雨にぬれた森、と表現できる。

 なかなか難しいが、自分が感じた香りをお客様に表現できるようになればしめたもの。チョコレートだけではなく、モルトやカクテルの表現力にも役立てたいものだ。