生産ラインから出たチョコレートの賞味期間は18カ月だという。アルコールや砂糖、人工保存料が入っていない場合は3週間。最高の状態に保存するにはどんな工夫が必要なのだろうか。
保存方法もいろいろだが、有名なチョコレート鑑定家であるクロエ・ドゥートレ・ルーセル氏のチョコレート・バイブルで記載されている方法は次のようなものだ。
27〜30度といった暑い季節は、冷蔵庫で保管する。冷凍だと、きめ細かさを壊してしまう。食品用のビニール袋に入れ、中の空気をできるだけ取り除いて密封する。これで、冷蔵庫の湿気や他の食品の匂いが移る心配がなくなる。
冷蔵庫から出したら、ビニール袋の中に入ったままで室温に戻るまで待つ。それからペーパータオルに包んで表面の水滴を除く。食べごろになる室温に戻るまで、状況によっても違うが約20分近く待つのがポイントだ。
中にクリームなどが入った(フィリング入りと呼ぶ)一口サイズのチョコレート(=ボンボンショコラ)の場合、最高6カ月までの冷凍保存が可能だという。食品用ビニール袋に入れて保存するのは同じだ。冷凍なので解凍には手間がかかる。24時間前に袋のまま冷蔵庫に移し、暑い季節は食べる1時間前、寒い季節は2時間前に室温環境に出す。解凍後、袋から取り出してペーパータオルで水滴を除いたら、10〜15分間待って室温に戻したらOKだ。
ワインセラーがあれば、こんな面倒なことは不要だ。ワインと同じように保存するだけだ。いずれにせよ、チョコレートの風味は繊細だ。お客様にお出しする場合には、細心の注意をしておくほうが良い。