前回のコンゴの東、タンガニーカ湖の対岸がタンザニアである。インド洋にも面したこの国には、世界でも類を見ない珍しい酒がある。
それは、竹の酒だ。中国に古くからある竹葉酒は、その名のとおり竹の葉を漬け込んだものだが、タンザニアの酒は竹の樹液が発酵したものである。原料の竹はウランジと呼ばれるもので、エチオピアからコンゴまで分布しているらしい。
まず、2年目の竹の子の頂部を2〜3センチメートルの所で切り取る。その後、毎日盛り上がってくる部分を切り取っていくと、白い泡状の樹液が流れ出てくるという。この樹液を集めるわけだが、すでに発酵しているらしい。この酒は、竹の名と同じウランジという名前で呼ばれている。