今回がチョコレート用語に関するネタの最後になる。品種や製造にまつわる言葉をまとめてみた。
●クリオロ種
栽培されているカカオの3つの種類の中で一番高品質で風味豊かだが、病気に弱く産出量は一番少ない。一時期絶滅したといわれた。
●トリニタリオ種
栽培されているカカオの3つの種類のひとつで、クリオロ種とファラステロ種の交配種。強健で豊かな風味を持ち、比較的安定した収穫量が期待できる。
●ファラステロ種
栽培されているカカオの3つの種類の中で最も使用されている品種。世界で製造されているチョコレートの約85%を占めているといわれている。風味の点では一番劣るが病気に強い。アフリカ大陸ではマダガスカルを除いて主要な栽培種である。
●ボルチェラーナ種
ベネズエラの特定地域のみで栽培されているカカオ豆。90%以上がクリオロ種の遺伝子で作られている。
●発酵
カカオ豆がパルプや粘液につつまれている状態で、木の箱に入れられ、5〜7日間周期で攪拌される。この作業はコンチングの際のアロマに大きく影響する。
●カカオ豆の乾燥
発酵させ、液体を抜き取ったカカオ豆は、太陽の光や熱風などで乾燥させる。この時点でカカオに含まれる水分を6〜8%減らすことができる。船積みなどの際にカビの発生を防ぐ目的がある。
●コンチング
チョコレートの製造過程のひとつ。60〜75度の間で3日ほど機械で練り混ぜる。この作業で酸味が減り、香りが立ってくる。
●メランジュール
カカオ豆を磨砕する古いタイプの機械。
●テンパリング
チョコレートの製造過程で、加熱と冷却を丁寧に行う作業。カカオバターの6つの結晶形のうち最も安定した形状である5つ目の結晶を安定化させるために行う。テンパリングによって、つややかで歯切れの良いチョコレートができるが、テンパリングをしないと粒子が粗く、色が鈍く筋張ったチョコレートになる。
●レチシン
大豆から取れる乳化剤で、チョコレートの質感を出すために加えられる。
●ブルーム
チョコレートの表面が白っぽくなる現象。過剰な湿度により表面に砂糖が浮き上がってきたり、急激な温度変化によってチョコレートの結晶が変化してカカオバターに影響を及ぼして現れる。テキスチャーや風味にダメージを与えるが、味への影響は少ない。
●クーベルチュール
チョコレート原料。1〜25kgの大きな塊、もしくは液体の状態で運ばれる。多くのショコラティエはカカオ豆ではなく、クーベルチュールをまとめ買いしてチョコレートを作る。
●バニリン
安価な合成バニラ