シングルモルト&ショコラのマリアージュが話題になって久しい。しかし、分かっているようで意外と知られていないチョコレートの世界。今回から、その世界を詳しく覗いていきたい。
第一回は、チョコレートの世界でよく使われる言葉についての解説。
●AOC(Appellation d’Origine Controlee)
フランス語で「管理された原産地の保障」という意味。ワインで有名なのでご存知の方も多いはず。ワインに使われているブドウの産地と品質を保証することを目的に導入されたシステム。今やチョコレートの世界にも導入されている。
●カカオ含有率
チョコレートに含まれるカカオ由来の原料すべての含有率を示す。具体的にはカカオバターと粉砕されたカカオ豆である。誤解されやすいが、カカオ含有率の高いものほどチョコレートの味が強いわけではない。同じ含有率でも、カカオバターの割合が多い場合は香りが弱く油脂分を感じる。それは、カカオバターには味がないためである。
●カカオのさや
カカオの樹になり、中に約50粒のカカオ豆を含んでいる。
●カカオニブ
カカオ豆が皮をむかれ、砕かれて小さな粒状になった状態のもの。
●皮むき
カカオニブにするため、カカオ豆の殻を取り除く機械が使用される。
●カカオマス(別名:カカオリカー)
カカオニブから作られる。40度ほどの状態でピーナッツバターのようなペースト状になり、この過程でようやくチョコレートの香りが感じられるようになる。
●カカオバター
カカオマスに圧力をかけることによって抽出される。カカオ豆の総重量の50〜55%を占めている。37度以下の状態ではレモン色をしている。多くのショコラティエがチョコレートに粘度となめらかさを与えるためにカカオバターを使う。品質の劣るチョコレートには高価なカカオバターの代わりに植物油脂を部分的に使用している。
●カカオケーキ
カカオマスに圧力をかけ、カカオバターを抽出した後の固形物。
●カカオパウダー
カカオケーキを粉砕した粉。