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[ コラム ] 4月-3-2009

 サトウキビの絞り汁を煮詰めて、砂糖の結晶を取り除いた後の糖蜜を原料とした蒸留酒。この原料となる糖蜜を「モラセズ(molasses)」と呼びことから「モラセズ・スピリッツ」という別名もある。地方によっては、サトウキビの絞り汁をそのまま水で薄めてつくる所もあり、それも仲間として扱われているスピリッツ。そう、今回からラムの話である。

 ラムの故郷は、カリブ海に浮かぶ西インド諸島である。故郷とはいっても原料のサトウキビは西インド諸島には存在していなかった。コロンブスの新大陸発見とともに南欧から持ち込まれたものだ。しかし、よほど土地の気候と合っていたのか、西インド諸島は世界一のサトウキビ生産地になってしまった。

 ラムの誕生には諸説がある。17世紀初め、西インド諸島のバルバドス島に移住してきた蒸留技術を持ったイギリス人がつくったという説。16世紀初頭、プエルトリコに渡ったスペインの探検家「ポンセ・デ・レオン(Ponce de Leon)」の隊の中に蒸留技術を持った隊員がいてラムをつくったという説などがある。どちらにしても17世紀には西インド諸島でサトウキビを使ってつくられたことには間違いないようだ。