今日はクリスマス。となると、やっぱりシャンパンが相応しい。今年最後のコラムは、発泡性ワインについて。
シャンパンに代表される高発泡性ワインは、ヴァンムスー(Vin mousseux)と呼ばれる。使われる葡萄は、フランス北東部のシャンパーニュ地方の指定畑のピノー・ノワール種、シャルドネ種またはピノ・ムニエ種。フランス各地で造られ、ロアール河畔のソーミュール(Saumur)やヴーヴレ(Vouvray)のものが有名である。ご存知だとは思うが、白だけでなくロゼもある。
どれも瓶内で再発酵させて炭酸ガスを閉じ込めてある。瓶内圧力は約6気圧。中圧のものをクレマン(Crement)、低圧のものをペチアン(Petillant)という。
ドイツでは、シャンパーニュに相当するのがゼクトで、リースリング種、シルヴァーナ種が使用される。イタリアではマスカットを使ったスプマンテ(Spumante)、スペインならチャレッロ種やマカベオ種、バレリャータ種などを使用したカヴァ(Cava)が有名である。ポルトガルには、マロラクチック発酵によるリンコ酸由来の炭酸ガスを閉じ込めた低圧のヴェルデ(Verde)がある。
バーテンダーにとっては、1979年のアメリカベストセラー小説の題名である「シャンパン・ブルース」や、アーネスト・へミングウェイの著書名である「DEATH IN THE AFTERNOON(午後の死)」といったカクテルの方がお馴染みかもしれない。
今夜あたり、シャンパンや発泡性ワインをベースにしたカクテルの注文が増えるのかもしれない。華やかな場に似合う酒だから、クリスマスだけでなく、日本のお正月にも意外と似合う酒である。