約600年前、アメリカ大陸を発見したことで有名なコロンブスが初めて見たカカオ豆は、さまざまな売買のために使われる貨幣だったという。
16世紀にアメリカ大陸に渡ったスペイン人の記録によると、ウサギ一匹なら10粒で交換されていたらしい。また、1545年のメキシコ・トラクスカラでのカカオ豆に基づく商品価値が記録に残っていて、次のような記載がされている。
小ぶりのウサギ1羽=30粒
収穫したてのアボカド1個=3粒
完熟アボカド1個=1粒
大きめのトマト1個=1粒
トウモロコシの皮に包まれた魚1尾=3粒
健康増進と強壮効果があったカカオ豆は庶民の間では、金の価値があったとされる。一般人が飲むことは禁止されていたのだが、富裕層は、バニラやチリペッパーなどのスパイスの風味を加えたホットチョコレートにして飲み、薬としての効果を楽しんでいたようだ。
19世紀の産業革命を経て、大衆の間でチョコレートが人気になってきたとき、カカオ豆の価値が急上昇して純金のような高価格になることもあったという。
コンビニで常時置いてあるチョコレート。それだけ身近かな商品となっているが、その世界は奥が深い。