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[ コラム ] 3月-13-2009

 ウォッカの主原料は穀物で、トウモロコシや大麦、小麦、ライ麦など使われるが、北欧やロシアなど一部の寒冷地ではじゃがいもが使われている。これらの原料を糖化、発酵させ、連続式蒸留機でアルコール分85〜96度のグレーン・スピリッツを作り、水で割ってアルコール分40〜60度に調製した後、白樺の炭層でろ過して製品化されている。現在ではアルコール度数40度のものが主流だ。

 ウォッカの特徴の決め手は二つに集約される。ひとつは、ベースになるスピリッツをどのようにしてつくるか。ふたつめは白樺炭ろ過をどのように行うか。

 ベースになるスピリッツは、85〜96度という高いアルコール純度のため、原料による違いは製品の品質にあまり大きな影響を与えないという見方もある。そのため、アメリカでは穀物でない原料の使用も多い。

 白樺炭ろ過は、スピリッツの刺激成分を除去して軽やかな芳香を生成する作用である。また、炭からの味わい成分(アルカリイオン)が溶け出し、アルコールと水との結合を促進してまろやかさを加えるという役割も果たしているそうだ。

 前述のアメリカでは穀物以外でも、とにかくニュートラル・スピリッツ(90度以上で蒸留したスピリッツ)に活性炭処理などをして、性格、香り、味、色をなくしたものもウォッカとして扱われている。ちなみにEUでは「農産物から得たエチル・アルコールを活性炭ろ過して、官能刺激特性(organoleptic characteristics)を取り除いたもの」という規制がある。